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サイエンティスト・事業戦略担当・コンサルタントとして、企業の課題解決に取り組んできました。気ままにですが、参考になりそうなことを書いていければと考えています。コメントをいただけると嬉しいです。

成長をキーワードに本を2冊読んでみた_ビジネスプロフェッショナルとトップアスリートに共通する成長の本質

書籍感想

昨今、特別に成長することを意識した訳ではないのですが、やはり成長する、ということは常に心掛けたいと思っています。

 

そんなことを30年間ぐらい思ってたら、たまたま、成長に関する本が2冊、先月ほぼ同時期に発売されました。

 

成長思考--心の壁を打ち破る7つのアクション(赤羽雄二)

限界の正体 自分の見えない檻から抜け出す法為末大

お二人とも、好きな著者なので、共にお勧めできる本。

 

ビジネスプロフェッショナルと、(元)プロアスリート。

世界No.1の頭脳集団で活躍し続けたビジネスパーソンと、

世界の頂上で争いを続けたトップアスリート。

多分毎日14時間以上、時に土日をつぶして、アウトプットを出し続けた方。

かたや、1分に満たない時間の中で、コンマ数秒を競い、戦ってきた人。

 

毛色の違う世界。

アウトプットの形も、アプローチも、全く異なる二人。

 

そんな二人でも、 共通するところが多いです。

7/20と7/27に出版されたのに、すごく似てるように見えます。(剽窃とかいう意味ではなく)

 

成長することを考え続けた二人。

 

この二人の共通する事項って、成長のプロセスの本質を突いているのかな、と思い、まとめてみます。

 

共通すること

それぞれの書籍に、それぞれの金言があり、

いずれも素晴らしい本だと思いますが、共通するところをまとめてみたいと思います。

 

多少表現は異なりますが、共通する事項として

 

①意図的に変化を起こす/あらゆる工夫をする

②目標を下げる・大きな目標を持ない/達成できる目の前の課題・目標を達成することを繰り返す

③自信を持つ/そのためにあらゆる手段を考える

 

があげられるかと思います。この2冊を読んでいま、私自身も心掛けていることです。

 

 

①意図的に変化を起こす/あらゆる工夫をする

為末大さんいわく、変化を取り入れることがタイセツ。成長は、努力の延長にあるのではなく、ふとした拍子に、壁を乗り越えることが多いそうです。

 

自分がとどまっていた枠の中をふと乗り越えたとき。

 

例えとして、”小さい頃に鎖につながれた子ゾウが大人になっても鎖を切らないことや、水槽を透明な壁でエサの小魚を隔てると、壁を取ってもエサを取る気がなくなる。でも、ふとした拍子に鎖が切れる/餌をとれることがわかると、鎖を切り逃げ、エサを捕る。これと成長することの感覚が似ている"、そうです。

 

こうしたふとした拍子を作るために、変化を起こし続けることが大事といいます。

 

この変化のために、以下の様なことを言っています。

スケジュールや目標を変化させる。

練習メニューもいろいろやってみる。工夫してみる

時には他人の話をときには100%聞く/時には他人の話は全部聞かない 

 

そうかも。良いかも。また、反対に、

反復練習には自己陶酔の様な落とし穴がある

 という様なことも言っています。これもそうかも。自分を満足させるだけで、まったく伸びない。結構、ありがちですね。

 

赤羽さんも、工夫の鬼。

なぜ成長しないのか、どんな時に成長したのか。

どうすれば成長するのか。。。。そんなことをひたすら考え続け、メモ書き/仕事上のあらゆる工夫・・・そんな工夫を数多生み出し、この1年に6冊も本を出したそうです。

 

尋常じゃないですね。きっと、それだけのノウハウを蓄積するまでに、成長、成果を出すために工夫を積みかさねてこられたのだろう思い、頭が下がります。

 

②目標を下げる・大きな目標を持ない/達成できる目の前の課題・目標を達成することを繰り返す

 

『目標を下げる』この表現を聞いたこと、ありますか?まして、成長を促す書籍で。

 

私もかなりハッとした表現でした。

 

成長思考というタイトルの本で、潔くこの表現を使われていて、でも非常に合理的です。実は私もこれを受け、目標を下げて、英検準一級を取ったのです(上梓前にお話を聞く機会があり、同じことを言っていました)。

 

そしたら、少しハッピーになりました。

 

それまでは、『英検一級取りたい。難い。2時間/dayでは追いつかない。でも上司がマジ無理。平日は愚か、土日寝込むレベルで毎日ストレス(本当)。英語どころかビジネスパーソンとしてのスキルも微塵も上がらない』という日々から、解放されました。

 

日々の目標を高く立てがちだった私は、結構、到達できずにふ塞ぎ込みがちだったのです。でも、この言葉を聞き、ずいぶん、楽になりました。精神的に自傷行為を繰り返していても仕方ないのに、結構、繰り返してしまいがちだったのですよね。

 

でも、こういう人は、相当いるんじゃないかと思います。特に、日本人的な性格にありがちな気がします。

 

為末さんも同様なことを言っています。

目標には下方修正すべきときがある。高すぎる目標は体を固くし、パフォーマンスを下げる。また、自信も失う。 

あまり大きな目標を立てないこと。目の前にある出来ることをこなしていくこと。実は、オリンピックのメダリストは小さい頃からメダリストを目指している人は少ない。

とも。確かに、高すぎる目標を掲げ、達成できないことが続くと、ポジティブでいることは難しくなります。

 

小さいころから、大きな夢を目指している人が必ずしも成功を収めていない、というのは面白いです。

 

私も30超えますので、結構、小さい頃の友人を見ていますが、そうかもしれません。いや。そうだな。そういう傾向が見て取れます。

 

プロ野球選手になる、と言っていた友人は沢山いましたが、だいたい、高校より前でやめました。『プロになりたい』、のプの字も聞いたことない友人が1人、Jリーガーになっています。金持ちが行きたがる私大に行く!(ただし成績は別に良くない)と言っていた人が、平均的な私立大学に行き、勉強する気あったのかわかんない人が、医学部に行って、どっかの外国で偉いことしてます。結構、わかんないもんです。

 

志って、たいていは折れるのかも。

そして、たいてい折れるが故に、折れない人を神格化して、ありがたがっているのかも。そう思います。

 

もう折れそうな心を/志を何とか支えるために、志の高い人を敬い、ありがたがる。。そうやって自分を追い詰めて、苦しくなっていく。そして酷くなると、自分をかわいそうに思い、誰かに慰めてほしくなって、かまってちゃんになっていく。

 

そんな迷惑な志なら、ちょいと目標(≒志)を下げて、ちょとずつ毎日積み重ねられるものにしていった方がいいのかなと思います。

 

そりゃ、たまには折れない人もいるのかもしれません。確率的には。

 

でも、実際はそう見せている/見せたがっているだけのことが多い気もします。報道する側としてはキレイなストーリーを見せたいし、報道される側も見栄を張りたい。成功している人って、別に志は高くなくって、偶然と日々のちょこちょこの努力を積み重ねただけなのかも。

 

またまた素晴らしい記録をやってくれたイチローだって、”小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています”とのこと。

 

 あんま無茶な目標を持つのも考えモノだと思います。

 

 

③自信を持つ/そのためにあらゆる手段を考える

結構、二人の著者に共通していると思うのは、

日本人特有の性質の中に、成長を妨げる要因があることに言及しています。

 

日本人の悪徳を言語化すると以下の様な感じでしょうか。

 

  • ステレオタイプにとらわれる。反復練習が好き。⇒方法に正解があると思い込み、やり方を工夫しないで、意味のないことを繰り返す。
  • 完璧主義/目標完遂を美徳とする⇒変化を敬遠し、こだわる必要のないところにこだわり、本質から外れ、心を壊す。
  • 自信家を敬遠する/ネガティブを迎合する、ネガティブなことを言うと、周りが構ってくれるような気がする。ネガティブで頑張っている奴を応援する⇒成長意欲を失う

 

1点目と2点目はそれぞれ、上記した通りが解決の手立てとなるのではないでしょうか。

 

そして、3点目。これも結構、日本人的ですよね。

 

知人に、人生で見た人間の中で、最も想像力と理解力、人間性が欠ける自信家が居ます。半日でできるExcelの計算を半月かけ、2つ目のプロジェクトが入ると、文句しか垂れなくなり、仕事が全く進まなくなります。このク○野郎、ってやつです。

 

でも、なんでか知らないけれど、給料良いらしいのですよね。社内の誰もが疑問を持つ評価。彼を肯定する気は全くないですし、『上司は阿保なんだ』以外の感想は持ちえません。ですが、自信はそれだけ強力、といえるのかもしれません。

 

思うに彼は、積み重ねの閾値が猛烈に低いためか、わずかな進歩でも、自信になるのではないでしょうか。『あぁ、今日もメール一報打って電話した!大変だった!!(もうExcelなんていじれない。でもよく頑張った俺、仕事出来る!!!)』と自信を持てちゃう。

 

見ていると苛々するだけですが、もしかしたら、日々積み重ねていることに自信が持てないことも、同じぐらい、ヨクナイのかもしれません。

 

”日本人”の性格を一言で言うと、成長する勇気がない様にも見て取れます。何か変化を起こすことが怖い。皆で足を引っ張りあい、同じところにとどまることを良しとする印象があり、それが成長を妨げる。以前ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 (講談社+α新書)を読んだ感想で、似たようなことを書きましたが、非常に日本人的な考えかただと思います。

それ、つまらないですよね。

 

猛烈に低い閾値を設定することは、自分の檻を破る一打にはなりえません。でも、少し手首しびれるかも。でも、そんなに痛くないかも、という一打を日々、自分を閉じ込めてるかもしれない檻に浴びせ続ける。出来るだけ細いところから。ちょっと曲がりそうなところから。角度を変えて、工夫して、日々、ちょっとずつ。あ、ちょっと曲がった、ということに成長を感じながら、それを繰り返す。そんな日々が続くと、日々、ちょっと良くなるかもしれません。

 

昨日より、ちょっとよくしよう。そうするために、全力で工夫をする。

それでいいんじゃないでしょうか。